農業を行う場合、その業務内容や作物、農場の形態等に応じて、次のような認証を受けることができます。
畜産農場のHACCP認証
農林水産省では、畜産物の安全確保の観点から、畜産農場に対し「畜産農場における飼養衛生管理向上の取組認証基準(農場HACCP認証基準)」の導入が推進されています。
畜産農場は農林水産省で定められた民間の認証機関により、その認証を受けることができます。
農場HACCP認証を受けた場合、次のようなメリットがあります。
- 安心安全な食肉を提供できる
- 農場内でPDCAを随時記録することにより、農場や従業員教育のレベルアップにつながる
- 農場のブランド化やイメージアップにつながる
GAP認証
GAP(農業生産工程管理)認証の手続きとは、農業者の方が持続可能な農業生産を確保するため、食品安全、環境保全、労働安全の持続可能性の確保と農業経営の改善や効率化を図る取り組みを行う旨を申請し、認証を受ける手続きです。
GAP認証を受けた場合、次のようなメリットがあります。
- 生産管理の見える化ができ、状況の改善につながる
- 従業員の自主性や職場環境の安全性の向上につながる
- GAP認証の取得を求める大手スーパー等への販路拡大が見込める
有機JASの第三者認証
「有機JASの第三者認証」とは、有機農産物等の生産農家や加工食品の製造業者の方が第三者機関(国から登録を受けている登録認証機関)の検査と認証を受けることで「有機JASマーク」の使用を認めてもらえる手続きです。
有機JASの認証を受けた場合、次のようなメリットがあります。
- 化学合成された農薬や肥料に頼らずに栽培している証明となり、信頼性の高い作物を生産できる
- 生産した農産物等に、有機、オーガニックを表示できる
- 都市部の大手百貨店、生協等の食の安全や安心を重視する食品宅配事業者等への販路拡大が見込める
ハラール認証
ハラール認証とは、イスラム教徒(ムスリム)の方が戒律上食べることが許された食べ物と作法の基準を守るため、認証機関が製造や加工の工程をチェックし、基準をクリアした商品に認証(ハラールマーク)を受ける手続きです。
ハラール認証を受けた場合、次のようなメリットがあります。
- ムスリム観光客の取り込みにつながる
- 地域によっては、ハラール認証取得に必要な申請費用や、メニューや店舗の看板、ウェブサイトの多言語化にかかる費用に対して補助金を受けることができる
- マレーシア、インドネシア、タイ等への、輸出の販路拡大が見込める
この他にも都道府県別等で、農作物や農場、生産工程管理等に関する認証や指定等を受けることができる地域が多くあります。