「有機JASの第三者認証」とは、有機農産物等の生産農家や加工食品の製造業者等になった方が第三者機関(国から登録を受けている登録認証機関)の検査を受け、認証を受けることで、JAS法(日本農林規格等に関する法律)の「有機JASマーク」の使用を認めてもらえる手続きです。

この認証申請の手続きは、消費者に対する「有機」や「減農薬」、「オーガニック」又はこれに類する表示を、次のいずれかのものに行うために必要となります。

◎有機農産物
堆肥等による土作りを行い、播種・植付け前2年以上(多年生作物の場合は収穫前3年以上)及び栽培中に、原則として化学的肥料と農薬は使用しない、遺伝子組換え種苗は使用しないものです。

◎有機畜産物
飼料は主に有機飼料を与える、野外への放牧等ストレスを与えずに飼育する、抗生物質等を病気の予防目的で使用しない、遺伝子組換え技術を使用しないものです。

◎有機加工食品(農産物、農畜産物、畜産物の加工食品)
次の基準を満たしたものです。
・化学的に合成された添加物や薬剤の使用は極力避けること
・原材料は水と食塩を除き、95%以上が有機農産物、有機畜産物又は有機加工食品であること
・薬剤により汚染されないよう管理された工場で製造を行うこと
・遺伝子組換え技術を使用しないこと

登録認証機関は書類審査及び実地検査を行い、次の点が基準を満たしているかどうかを審査します。

◎ほ場又は加工場等が有機の生産基準を満たしていること
具体的には、次の方法等について確認されます。

  • ほ場、栽培場、採取場における生産
  • ほ場に使用する種子又は苗等、種菌、スプラウト類の栽培施設に使用する種子
  • ほ場における肥培管理
  • ほ場又は栽培場における栽培管理
  • ほ場又は栽培場における有害動植物の防除
  • 一般管理、育苗管理
  • 収穫、輸送、選別、調製、洗浄、貯蔵、包装その他の収穫以後の工程に係る管理
  • 商品名の表示方法(農作物等への「有機農産物」、「有機栽培農産物」、「有機○○」、「オーガニック○○」等の表示について)

◎有機JASに則して生産できるよう、生産管理や生産管理記録の作成が適切に行えること
認証を受けた有機農産物等の生産農家や加工食品の製造業者の方は、生産過程や製造過程の記録等に基づいて自ら生産又は製造した食品を格付し、有機JASマークを貼付して市場に供給することとなります。

認証を受けた生産農家や加工食品の製造業者等の方は、認証後も登録認証機関に有機JASに基づいて生産を行っていることについて、最低1年に1回の調査を受ける必要があります。

なお、国際的には、コーデックス委員会(FAO/WHO 合同食品規格委員会)においての「有機生産食品の生産、加工、表示及び販売に係るガイドライン」に沿う必要があります。有機食品に関する日本農林規格は、このコーデックスガイドラインに準拠して定められたものとなっています。