まず「HACCP」とは、Hazard(危害)、Analysis(分析)、 Critical(重要)、Control(管理)、Point(点)」の頭文字をとった、衛生管理の国際的な手法のことをいいます。

農林水産省では、畜産物の安全確保の観点から、畜産農場におけるHACCPの考え方を採り入れた衛生管理手法(農場HACCP)が推進されています。

農場HACCPについて認証を受けるための手続きは「畜産農場における飼養衛生管理向上の取組認証基準(農場HACCP認証基準)」に基づき、農林水産省で定められた民間の認証機関に対し行う必要があります。

農場HACCP認証の手続きは、次の流れで行います(認証機関によって異なる場合があります)。

◎認証を希望する対象区分及び種類に合った認証機関を確認する
農場HACCP認証は、たとえば対象区分が「畜産農場」、種類が「牛(乳用/肉用)、豚、鶏(採卵/肉用)」である等、認証機関ごとに認証の対象となっている範囲が異なります。そのため、事前に確認しておくことをおすすめします。

◎認証を希望する対象区分及び種類の申請要件を確認する

◎認証を希望する認証機関に沿った申請書類を準備する
申請書類は認証機関ごとに異なりますが、申請には、主に次のようなものが必要です。

  • 申請書(正・副2部)
  • 農場HACCP認証基準で要求する文書一式(4部)
    文書としては、衛生管理の方針や目標、農場でHACCPについての管理を行う担当者等に関する資料、教育訓練や内部検証等の規定書、工程一覧図、危害要因分析表、HACCP実施の計画書等が必要です。
  • 審査費用
  • 現地審査旅費

◎認証を希望する認証機関に対して申請する
審査期間は、およそ2か月です。申請後は認証機関によって書類審査が行われ、併せて現地調査の日程調整が行われます。現地調査は予め内容の通知を受けた上で、対象農場での調査を受けることになります。

◎対象の農場に対し、認証を取得する
認証有効期間は認証された日から3年間です。認証有効期間中に2年を超えない時点(更新した場合は更新10か月経過後1年10か月以内)で、現地調査を中心とした「維持審査」を受ける必要があります(新規と同様、審査費用とは別に維持審査に係る旅費等が必要です)。
また、有効期間が満了する2か月前までに「更新審査」の申請をしなければ認証は失効してしまいますので、くれぐれもご注意ください。

なお、都道府県によっては農場HACCP認証以外にも、衛生管理等の向上目的で農場HACCPに取り組み、一定の要件を満たす農場について、認定や指定等を受けることができる地域もあります。