グローバルGAP認証のうち「グループ認証(JAや生産法人がグループメンバーをまとめて申請する手続き)」を行う場合には、内部検査員と内部監査員を確保し、QMSを内部運用する必要があります。
内部検査員はグループ内で適切な活動が行われているかの検査を実施し、内部監査員はその内部検査が適切に行われているか、また、グループ内のQMSが適切に運用されているかの監査を実施する役目があります。
内部検査員又は内部監査員になるための要件は、それぞれ次のような内容です。
内部検査員になるための要件
次の1~6のすべてを満たす必要があります。
1.次のいずれかに該当すること
- 高校より上(大学農学部、農業短大、農業大学校等)の農業関係の学卒者の方
- 農業高校を卒業し、卒業後2年間の農業実務経験を有する方
- 高校を卒業し、2年間の農業実務経験を有し、GAP認証に関する研修を受講した方
2.検査の基本に関する実務的な研修を1日以上受講すること
3. 有資格者(内部検査員又は認証機関)が実施する審査への立ち合いを2回以上行うこと
4. 有資格者(内部検査員、内部監査員、認証機関のいずれか)によるシャドウ審査を1回以上行うこと
※「シャドウ審査」とは、有資格者と一緒に審査を行い、有資格者と同じ審査結果を出せることです。
5. HACCPと食品衛生に関する学歴を保有、もしくはコーデックス規格の原則に基づく公式トレーニングを修了すること
6. 農薬(植物防疫)、肥料、IPMに関する学歴を保有、もしくは専門家や専門機関によるトレーニングを修了すること
内部監査員になるための要件
次の1~4のすべてを満たす必要があります。
1. 次のいずれかに該当すること
- 高校より上(大学農学部、農業短大、農業大学校等)の農業関係の学卒者の方
- 農業高校を卒業し、2年間の農業実務経験を有する方
- 高校を卒業し、2年間の品質管理実務経験及び3年間の農業実務経験を有する
2. QMS(品質マネジメントシステム)に関する、内部監査員トレーニングコース(最低16時間)を修了すること
3. HACCPと食品衛生に関する学歴を保有、もしくはコーデックス規格の原則に基づく公式トレーニングを修了すること
4. 農薬(植物防疫)、肥料、IPMに関する学歴を保有、もしくは専門家や専門機関によるトレーニングを修了すること
以上のような要件ですが、内部検査員と内部監査員は外部委託も可能ですので、社内に上記要件を満たす方がいない場合は、上記要件を満たす外部の方に委託する方法も選択できます。
なお、グローバルGAPのコンサルタントには、内部検査員相当の資格や相当する知識、指導実績が備わっている必要があります。また、それぞれの農場運営が円滑に行われるために、基準文書の行間を読み取り、現場実態と調整するノウハウが求められます。