農林水産省では、将来の農業の担い手となる49歳以下の新規就農者を育成する支援である「新規就農者育成総合対策」が2022年度より開始されます。この支援によって、40代以下の農業従事者を令和5年までに40万人まで拡大することを目標とされています。

この支援は、次のような内容になっています。

【資金面の支援】

◎経営開始資金として、最大1,000万円の支援
農業用の機械やトラックなど初期投資の負担を減らすための支援です。
1,000万円を無利子融資の上、その償還金を国と地方から支援されます。一部は毎月の定額助成として、最大13万円を最長3年間まで受け取ることが可能です。 

◎雇用元の農業法人等に対し、最長5年間の資金助成
今までは就農者を指導する農業法人等に対し、最長で2年間の資金助成がされていましたが、最長5年間に延長されます。
雇用元の農業法人等に対して新規雇用就農者の増加分を、1か月当り最大で、1年目に10万円、2年目に8万円、3年目に6万円、4年目に5万円、5年目に4万円が助成されます。

◎研修期間中の研修生に対し、最長2年間の資金助成
研修期間中の研修生の研修費に対し、1か月当り最大13万円を最長2年間、助成されます。

【技術面の支援】

◎農業研修への支援
国に登録された農業法人、研修機関等の伴走機関が行う、実践的な研修農場の整備等について支援されます。

◎技術指導への支援
先輩農業者等による、新規就農者への技術面や販路の確保等のサポートについて支援されます。

◎農業教育への支援
国に登録された農業大学校や農業高校等における、次のような農業教育の高度化等について支援されます。
・農業機械や設備等の導入
・国際的な人材育成等に向けた海外研修
・スマート農業、環境配慮型農業等のカリキュラム強化
・出前授業の実施、リカレント教育の充実

◎人材の呼込み等の促進
多くの人に職業としての農業の魅力を伝えるための情報発信等について支援されます。
また、就農に関する情報の一元化や相談体制の強化等による円滑な就農へ繋がる取組について支援されます。 

今までも、市町村から就農計画の認定を受けると、1~3年目に年150万円、4~5年目に年120万円の最大690万円の支援がありましたが、それでは新規就農者の初期投資に十分な対応ができないのではとの声があったため、今回の「新規就農者育成総合対策」として、新規就農者を育成する支援策の刷新が行われるに至りました。