国は農業者(農家や法人ほかの農業従事者)の方の経営が少しでも安定できるように、次のような政策を実施しています。
◎畑作物の直接支払交付金(ゲタ対策)
麦、大豆、てん菜、でん粉原料用ばれいしょ、そば、なたねの当年産の作付面積に応じ、出荷と販売の数量に対する内金として交付される制度です。水田も対象となります。
対象となる方は、規模は問われませんが、認定農業者、集落営農、認定新規就農者の方です。
なお、ゲタ対策とは、国が担い手農家の方の経営の安定に資するため諸外国との生産条件の格差から生じる不利を補正する政策のことをいいます。
◎米・畑作物の収入減少影響緩和交付金(ナラシ対策)
米、麦、大豆、てん菜、でん粉原料用ばれいしょの当年産の販売収入の合計(当年産収入額)が過去の平均収入(標準的収入額)を下回った場合に、その差額の9割が、都道府県と国が1対3の割合で拠出した積立金から補てんされる制度です。
こちらも規模は問われませんが、認定農業者、集落営農、認定新規就農者の方が対象となります。
なお、ナラシ対策とは、国が農業者の方の拠出を前提として行う農業経営のセーフティネット対策のことをいいます。
◎水田活用の直接支払交付金
地域の作物振興の設計図となる「水田フル活用ビジョン」に基づき耕作する、麦、大豆、飼料作物、WCS(稲発酵粗飼料)用稲、加工用米、飼料用米、米粉用米が対象で、作付面積や収穫量等に応じて交付される制度です。
◎新市場開拓に向けた水田リノベーション事業
水田農業を、輸出や加工品原材料等の新たな需要拡大が期待される作物の農業へと刷新(リノベーション)するための「水田リノベーション産地・実需協働プラン」に基づく取組に応じて支援される制度です。
新市場開拓用米、加工用米、麦、大豆、輸出用又は加工・業務用の高収益作物(野菜等)のうち、いずれかの水田農業に関する取組が対象となります。
◎麦・大豆収益性・生産性向上プロジェクト
水田麦・大豆産地が団地化・生産性の向上に向け「麦・大豆産地生産性向上計画」を作成して行う、団地化の推進、営農技術の導入、農業機械等の導入等に対して支援される制度です。
農業者の団体(受益農業従事者(原則年間150日以上)の方が5名以上の団体)、地域農業再生協議会が取り組む、田(水田活用の直接支払交付金の交付対象水田)、麦(小麦、大麦及びはだか麦)、大豆の耕作に関するものが対象です。都道府県と産地で「麦・大豆生産性向上計画」を作成している必要があります。
◎農業経営基盤強化準備金制度
経営所得安定対策等の交付金(新市場開拓に向けた水田リノベーション事業は除く)を活用して、計画的に農業経営の基盤強化(農用地、農業用の建物や機械等の取得)を図る取組を支援される制度です。
対象となる方は、認定農業者や認定新規就農者の方で、市町村等の「人・農地プラン」の中心経営体である必要があります。