農業次世代人材投資資金(旧青年就農給付金)とは、次世代を担う農業者となることを目指される方に対し、農業を始める前の研修を後押しする資金と、農業を始めた直後の経営確立を支援する資金を交付する制度です。

農業を始めた直後の経営確立を支援する資金の交付は「経営開始型」といい、交付申請を行うことで、農業を始めてから経営が安定するまで最長5年間、年間で最大150万円が交付されます。

耕す

 

【交付要件】

◎次の①~③のいずれかに該当する認定新規就農者であること
①「就農予定時」の年齢が原則50歳未満の新規就農者
②特定の知識、技能を持つ中高年齢(65歳未満)の新規就農者
③上記①②のいずれかの方が役員の過半数を占める法人
※「認定新規就農者」とは、市町村で「青年等就農計画」の認定を受けた方のことを指します。

◎独立・自営就農であること
次の要件を満たせば、親の元での就農でも、親の経営から独立した部門の経営(税の申告が親と分離していなくてもよいです)を行う場合や、従事して5年以内に継承する場合は、その時点から対象となることができます。
①農地の所有権または利用権を、給付対象者が持っている
※農地の過半が親族からの貸借である場合は、5年の給付の間に所有権を移転する必要があります。
②主な機械・施設を、給付対象者が所有、または借りている
③生産物や生産資材などを、給付対象者の名義で出荷、取引する
④給付対象者の農産物などの売上げや経費の支出などの経営収支を給付対象者名義の通帳及び帳簿で管理する

◎青年等就農計画などが、独立・自営で農業を始めて5年後には農業で生計が成り立つ、実現可能な計画であること
※ご自身の農産物を使った関連事業(農家民宿、加工品製造、直接販売、農家レストランなども含みます。

◎農家子弟の方の場合は、新たな作目の導入や、経営の多角化など、新規参入者と同等の経営リスクを負うと市町村長に認められること

◎国の「人・農地プラン」に位置づけられている、もしくは位置づけられることが確実なこと、または「農地中間管理機構」から農地を借り受けていること
※東日本大震災の津波被災市町村が作成している経営再開マスタープランを含みます。

◎園芸施設共済の引受け対象となる施設を所有する場合は、園芸施設共済などに加入している、または加入することが確実と見込まれること

◎生活保護など生活費を支給する国の他事業の受給をしていないこと、及び「農の雇用事業」による助成を受けたことがある農業法人などでないこと

 

また、原則として「青年新規就農者ネットワーク(一農ネット)」に加入する必要があります。

なお、交付金額は農業経営開始後について、初年度は1年につき1人当り150万円、2年目以降は1年につき、1人当り350万円から前年の総所得(資金を除く所得)を引いた額の3/5(前年の総所得が100万円未満の場合は150万円)となります。
※複数人が共同で農業経営を行う法人の場合は、共同経営者それぞれに交付されます。
※夫婦で就農する場合は、夫婦合わせて1.5人分の交付となります。

 

 

【申請の流れ】

①申請者が自ら、地域を管轄する市区町村役所と事前の相談を行う必要があります(数回必要な可能性があります)。

②青年等就農計画(就農した後、5年間の生計が成り立つ計画)を、1年ずつの予算計画として立案する必要があります。

③「人・農地プラン(地域を管轄する市区町村での毎年の検討会に参加して、周辺地域の農業に関する推進計画を立てること)」を作成し、提出する必要があります。

④農業次世代人材投資資金(経営開始型)の交付申請
※国の他の事業からの受給をしていたり「農の雇用事業」による助成を受けたことがある農業法人などの場合は、申請することができませんのでご注意ください。

⑤農林水産省HPの、青年新規就農者ネットワーク(一農ネット)に加入(メルマガ配信登録)をする必要があります。

以上が必要ですが、要件を満たし書類を揃えても、地域を管轄する市区町村自体の農地計画や予算の関係によっては、交付がされない場合もありますのでご注意ください。

 

 

【交付金を受けた後の注意事項】
次のような場合は交付を停止されますのでご注意ください。
◎資金を除く本人の前年の所得が、350万円を超えた場合
※平成26年度(平成26年度補正予算を除く)以前から、交付を受けている方の場合は250万円
◎青年等就農計画等を実行するための必要な作業を怠るなど、適切な就農をしていないと市町村が判断した場合
◎交付3年目を迎える時に市町村によって行われる中間評価で、重点的な指導を実施しても経営の改善が見込めないと判断された場合

 

 

【交付金を返還すべき場合】
次のような場合は交付金を返還しなければなりませんので、ご注意ください。
◎農地の過半を親族から貸借している場合に、5年間の交付期間中にその農地の所有権を移転しなかった場合
◎交付期間終了後、交付されていた期間と同じ期間以上、営農を継続しなかった場合

 

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