「農地・水保全管理支払交付金(旧農地・水・環境保全向上対策)」とは、農業者だけではなく地域住民などが参加し、農地、水、環境の良好な保全と質的向上を図る地域共同の取組が支援される制度です。

 

この交付金を受けるためには、農業者以外の構成員を含む次のA・Bいずれかの組織の設立が必要です。

 

A.活動組織
集落などの小規模な単位で、個人の農業者、地域住民、自治会、関係団体などが参画する組織です。

 

B.農地・水・環境保全組織
旧市区町村単位等の広域エリアで、集落(活動組織)、土地改良区、地域の関係団体などで構成される、構成員間の協定に基づく組織です。

 

対象となる活動に応じた、次の2つの交付金があります。

 

【共同活動支援交付金】

・支援単価:田は4,400円/10a(北海道は3,400円/10a)
畑は2,800円/10a(北海道は1,200円/10a)
草地は400円/10a(北海道は200円/10a)

・上限額(継続地区の場合):支援単価の7.5割
継続地区とは、5年以上、共同活動支援交付金または向上活動支援交付金に取り組む地域のことです。

以下の活動に対して支援を受けることができます。

①農地、水路などの基礎的な保全管理活動(基礎活動)

・対象経費:協定に位置づけた、農用地、水路(草刈りや泥上げなど)、農道(砂利補充など)の保全管理活動に関する、点検や機能診断、計画策定、研修、実践活動

 

②農村環境の保全のための活動(農村環境保全活動)
・対象経費:生物多様性保全、景観形成などに関する計画策定、啓発や普及、実践活動

 

【向上活動支援交付金】

以下の活動に対して支援を受けることができます。

①施設の長寿命化のための活動
・対象経費:水路、農道などの施設の老朽化部分の補修や、機能維持のための更新などの活動

・支援単価:田は4,400円/10a(北海道は3,400円/10a)
畑は2,000円/10a(北海道は600円/10a)
草地は400円/10a

 

②高度な農地や水の保全活動

・対象経費:水質、土壌、生物多様性などの地域環境の保全を行うもので、専門家の指導など高度な技術が求められる活動(循環かんがいによる水質保全、水路への木炭などの設置、地下水かん養など)

・支援単価:田は500/1,000/1,500/2,000 円/10a
(北海道は500/1,000/1,500 円/10a)
畑は500/1,000/1,500 円/10a
(北海道は500/1,000 円/10a)

・上限額:200万円/組織または集落

 

③農地・水・環境保全組織の取組

・対象経費:農地・水・環境保全組織の設立、農業施設の劣化などを把握し施設の長寿命化対策の計画的な推進などを図る「地域資源保全プラン」の策定

・支援単価:(活動組織の広域化、体制強化)40万円/組織
(地域資源保全プランの策定)50万円/組織